【全文公開】『Suiu 翠雨 Jiu 慈雨』誕生秘話、SHINRA代表大智氏×三嘴氏にインタビュー

 先日の記事では、合同会社「SHINRA」さんのノンアルコールドリンク「Suiu 翠雨 」と、ハーバルクラフトコーラ「Jiu 慈雨」について紹介致しました。そして今回はなんと、そちらの共同代表を務める佐藤大智氏と三嘴光貴氏に実際にインタビューを行い、その誕生までの経緯と「飲み物を創る」ということの面白さを語って頂きました。

【インタビューを行った方々】

佐藤大智(さとう・だいち)

ドリンクブランド「SHINRA」の共同代表の一人。クラフトビールが好きで、「Suiu 翠雨 」の開発を主に担当。福島県出身。

三嘴光貴(みつはし・こうき)

ドリンクブランド「SHINRA」の共同代表の一人。元バーテンダーで、「Jiu 慈雨」の開発を主に担当。福島県出身。

 お忙しい中でオンラインでのインタビューを快くお引き受け頂いた二人に、この場をお借り致しまして改めてお礼申し上げます。

※前回の記事の続きとなりますので、以下の記事をご覧になられてから当記事を読まれることをお勧め致します。

お二人とビールについて

――まず、SHINRAはお二人が共同代表という形をとられていますが、それぞれのSHINRA内での役割を教えてください。

三嘴:いきなり難しい質問ですね(笑)。立ち上げのフェーズから、二人とも何でもやろうという感じではあったのですけれど、元々Suiuのレシピを作っていたのは大智さんで、Jiuのレシピを作っていたのが僕でした。ただ、SNSを含めたPR系は大智さんがやってくれています。基本的にはその都度、お互いができることをやっている形です。

大智:明確な役割分担は正直ないですね。お互い特殊なスキルを持っているわけではないので、それぞれがこれまで培ってきたものベースで意見を出し合っています。

――お二人が飲料づくりを目指されたきっかけについて教えてください。

大智:僕と三嘴さんともう一人、絵里さんというSHINRAのメンバーがいるのですが、三人は元々ビール好きの飲み仲間でした。いつも一緒に遊んでいたのですが、その中で「ノンアルIPAを作れないかなあ」という話題が出てきました。そこから家にある材料で飲料を作ったことが始まりです。

――大智さんのNote内で英国の「PUNK IPA」というクラフトビールが衝撃的な美味しさで、クラフトビールの世界に足を踏み入れるきっかけになったと書かれていましたが、この「IPA」とはどういった意味なのですか?

大智:『インディアペールエール 』という名前の略称が”IPA”です。大航海時代にイギリスがインドを植民地支配していた頃、イギリス人がインドでもビールを飲みたいということで、防腐効果の高いホップを沢山入れて生まれたのがIPAです。

――三嘴さんの思い出深いビールがありましたら教えてください。

三嘴:僕も「PUNK IPA」はクラフトビールを知り始めた初期段階に飲んで衝撃を受けました。クラフトビールの中では比較的価格も安いのと、創業者の方が戦車で国会議事堂に乗り付けてお酒の法律を変えろと要求をしたりしていて(笑)。商品としての飲み物の下にそういった活動や思想が存在していて、クラフトビールの裾野の広さを感じました。

大智:PUNK IPAの創業者のジェームズ・ワット氏が執筆した「ビジネス・フォー・パンクス」という本で彼の思想に触れました。美味しい飲み物を作ろうとしているだけではなく、保守的な英国のビール業界に殴り込みをするという思想も「パンクだなあ」と思い、より好きになりました。

『ブリュードッグ』とは、2007年にスコットランドにオープンしたクラフトブルワリー。大量に使用されたホップの心地よい苦みとモルト感。後味のフルーティーな香りが素晴らしく、非常に美味しかったです。

――以上のことから、始めはノンアルコールブランドではなく、レストランを併設したビール醸造所を作ろうと思っていたと伺いました。

大智:確かに、僕は現在のSHINRAの方々とは別のメンバーとビール醸造所を作る予定で、2019年の夏ごろから準備を始めていました。しかし、コロナ禍の影響でオープンするのが難しいという判断をしました。ただ、「何かやりたい」という気持ちは高まっていて、三嘴さん、絵里さんとミーティングを重ね、SHINRAを形づくっていくことになりました。

――それではノンアルコールブランドを作ろうと提案したのは大智さんなのですか?

大智:うーん(笑)なんかそこが難しいのですが、飲み会の場でみんなで話し合って自然に出てきた感じですね。

三嘴:「これ絶対いけますよ!」みたいな、酔っ払いのテンションでした(笑)。

SHINRAについて

SHINRA_logo

――「SHINRA」とはどういう意味ですか?森羅万象の”森羅”を由来としているのですか?

大智:その通りです。

――「森羅」とは樹木が茂り連なるという大自然なイメージを連想しますが、そういった名前を付けられた理由をお聞かせください。

三嘴:実はブランド名よりも、商品名を日本の雨の名前にちなんだものでやりたいというのが先でした。雨のイメージは「感性に潤いを」というテーマにも合致していましたし。あと、日本には雨の呼び方が400種類以上あると言われていて、雨の違いをそんなに繊細に感じ取って名前をつける昔の日本人の感性が素敵だなと思って、雨の名前を使いたいと思いました。

 その後に「ブランド名や会社名はどうしよう?」という話になりました。やはり我々は自然が好きなのと、様々な素材が持っている可能性を引き出して感性に潤いを与えるような商品を作りたいと思ったので、「森羅万象あまねく全ての素材やモノ」を取り扱うという意味でSHINRAというブランド名になりました。

――つまり本来の可能性を引き出すということができるのであれば、食材自体には拘りはないということですか?

三嘴:「食材に拘りを持たないのが”拘り”」とでも言いますか、色んな領域を横断していきたいと思っています。例えばJiuに使われている「タイム」は通常は調味料として使われますが、それを今回ドリンクとして飲めるような状態にしました。またSuiuであれば、本来ビールで使われていた「ホップ」をノンアルコール飲料に最適化しました。このように今までの食材の使われ方の常識を変えていきたいと思っています。

Suiu 翠雨 Jiu 慈雨について

――「Suiu 翠雨 Jiu 慈雨」は、どうやって生まれてきたのですか?

大智:「Slack 」というビジネスチャットを皆で利用しており、その中に「レシピアイデア」というチャンネルがあり、アイデアをどんどん投稿するようにしています。その中から得体が知れないけれど美味しい液体が生まれてくるのですが、社会的にそれを何て呼べばいいんだろう?、と考える時があります。

 SuiuとJiuも同様で、このホップを使用したドリンクと、タイムを使用したドリンクをどう説明すれば良いのかを考えたんですね。そこで最も近しいものの名前を借りようと思ったのです。SuiuはノンアルコールドリンクでJiuはクラフトコーラといった具合にですね。そうやって既存の飲料のジャンルを借りながらも、それらとは半歩ズレたような飲料が出来上がりました。

――「Suiu 翠雨 Jiu 慈雨」はどういった場面で飲んで欲しいと思われていますか?

大智:いくつかあるのですが、例えば昼下がりとか、ホッと一息つける瞬間とか、気分を変えたいなーと思う場面で飲んで頂きたいと思います。また、当初レシピを組み立てる際にどのレベルを目標にするのかということを考えました。レストランでフルコースの料理と一緒に、ワイングラスで提供しても充分に耐えられるよう目指しています。そのため、食事の場面でも調和がとれるように特に意識しています。

三嘴:僕はリモートで仕事をしている時に飲んでいます。夕方くらいになると仕事中でもビールを飲みたいなという気持ちになるのですが(笑)、そういった時にホップが沢山入っているSuiuを飲むと覚醒した感じになり、結構な満足感があります。そのため仕事に勢いをつけたい時に飲むことが多いです。

大智:開発当初は「リモートワーク中に飲んでも怒られない飲み物を作りたい」という思いもありました(笑)。僕の中では市販のノンアルコールビールを買って飲んでも、それはあくまで夕飯とビールを飲むまでの「つなぎ」にしかならなくて、満足感はあまり得られないと感じています。しかし、Suiuの場合は飲むと覚醒されるため、惰性で飲むということはありません。

――Suiuは黄緑色、Jiuはオレンジ色がイメージカラーとなっているように見受けられますが、それぞれの色のイメージの由来は何ですか?

大智:「Suiu 翠雨」は爽やかさのイメージや、名前にも「翠」と入っていることもあって、黄緑色をイメージカラーにしました。

三嘴:「Jiu 慈雨」は基本的には味わいからきています。Jiuの色を考えた際、コカ・コーラの様な真っ赤ではないなとは思いました。パンチや主張を抑えながらもスパイスのベースがあり、「タイム」という緑色のハーブを使用しているため、それらを併せると明るいオレンジ色のイメージになりました。

――ラベルに描かれた水彩の滲んだ様な淡い色使いが、シンプルながらも印象的でとても美しいと思いました。

大智:SuiuもJiuも雨がモチーフになっているので、ラベルにSuiuやJiuという雨が落ちて滲んだ様なイメージを持って頂けたらと思います。水彩の滲んだ感じは、実際にデザイナーさんが絵具を紙に塗って、それを雨の日に屋外に置き、実際に雨に打たせて色が混ざり合うようにして作り上げています。そのため雨が降らないとデザインがあがってきませんでした(笑)。SHINRAというブランドから抽出されたSuiu、Jiuという製品が、色の異なる雨となって落ち、ラベル上で水滴模様となったというメタファーになっています。

三嘴:ラベルの構図にも非常に悩み、デザイナーさんと一緒に作り上げました。購入された方々の家に置かれても部屋の雰囲気を崩さないような、容器を飾って「美しいね」と言ってもらえるようなデザインにしたいという思いがありました。今回は一般的な円柱の瓶にしましたが、かつては一輪挿しにも使えるような四角い瓶で発売していました。

大智:デザインとしてはシンプルさがありつつも、あまりに無機質になると飲み物として美味しそうには思えなくなってしまうのではないかと思い、そのバランスをとても考えています。また、空間との調和も大切にしたいので、派手なデザインや、原色の使用は控えるように心がけています。例えば食事の際、テーブルに好きな料理やお気に入りのお皿、カトラリー等が配置された際に、その空間を邪魔しない存在になるように意識もしてラベルやビンも選んでいます。

――SuiuもJiuも、空間との調和も含めて演出をしていくということなのですね。

大智:そうですね。小売店等で店頭に並ぶ際は、沢山の商品の中から自分の商品を手に取って貰うという狙いもあって派手なパッケージデザインにする必要があると思いますが、僕らはECサイトのみで販売していくと予め決めていたので、飲むシーンでの空間との調和を優先したパッケージデザインにしました。

――ECサイトのお話が出たのでお伺いいたします。SuiuとJiuは2つで1セットとしてしか購入できませんが、バラでは買えずにセットになっているのは、何か意図があるのですか?

大智:いやあ本当に、そこに意図があるかを考えて貰えるのはとても嬉しいです(笑)。理由としては二種類あって、「ブランドとしての理由」と「経営としての理由」があります。ブランドとしての理由は、僕たちはクラフトビールを飲む際に、意図しない味と出会うのを凄く楽しみにしていました。新しい発見をすることが凄く面白いんですよね。もしクラフトコーラが好きな方がSuiuとJiuをバラで買えた場合、クラフトコーラであるJiuしか買わず、その人の発見の広がりが制限されてしまうと思うんですね。そのためホップなんかに興味なくても2本1セットで強制的に送り付ける(笑)。

 僕たちは「感性に潤いを」というテーマを大事にしていて、「視野が広がって欲しい」「感覚を呼び起こしたい」という願いを込めてSHINRAを運営しています。そのため、その人が興味が無かったとしてももう一方も飲んで貰いたいのです。逆にSuiuの方はクラフトビールが好きな方々からは好評ですがクラフトコーラを知らないことも多いので、「他にも美味しい液体があるんだよ」と伝えたいという想いがあります。

――ものすごく腑に落ちました!確かにバラで買えていたら、私はJiuしか買わずSuiuの美味しさや可能性を感じることはできなかったと思います。

大智:二本あったら、必ず飲み比べをすると思うんですよ。「あ、Suiuのホップな感じ好きだな」とか「Jiuのタイムの感じいいね」とか、比較対象があることによってそれぞれの違いに気付けると思うんです。そして、その違いを他の人と共有しようとした際、あくまで感覚的な違いを言語化しないといけないので、その過程において自分の感覚を呼び起こし、感性に対してより自覚的になることを推し進められるのではないかと考えています。

三嘴:経営的な面でいえば1ロットの製造量が決まっているので、変に在庫が出ないようにバランスよくお売りしたいということもあります。ただ経営的な側面から仕方なくセットで売っている感じでは全然なくて、一緒に飲んで欲しいという願いと、経営的なメリットが偶然上手く合わさったという形です。

Suiu 翠雨について

suiu

――先ほど飲み比べのお話が出てきましたが、SuiuはJiuに比べてかなり甘さが控えめな印象を受けましたが、その理由をお聞かせください。

大智:Jiuよりも爽やかさのある飲み物にしたかったので、糖分は控えめですいすい飲めるような形に仕上げています。

三嘴:どうしてもクラフトビールでホップに出会っているので、ホップを使ったビール以外の飲み物があるとすると、これくらいのドライさだろうと思っています。

――原材料欄に、ホップとホップエキスが別々に記載されていますが、どういった違いがあるのですか?

大智:「ホップ」とは、生の果穂の部分を直接鍋に入れることです。「ホップエキス」とはホップから抽出したアロマを別に入れるということです。生のホップだけでも苦みや香りは出るのですが、ホップエキスは更にそれらが濃縮されているため、その香りの良さがあるので別に入れています。

Jiu 慈雨について、コーラについて

jiu

――これまでのお話から、皆さんビールとホップがお好きで、その結果ホップの飲料であるSuiuを作られたのは解りました。もう一つの商品としてコーラを選ばれた理由を教えてください。

三嘴:僕は元々バーテンダーをしていて、自家製のシロップを作るということを自分のお店を経営していた時にやっていました。色々な材料をシロップにしたらどんな味になるのかと考えるのが好きだったんですね。そんな中クラフトコーラが有名になってきており僕も飲んでみました。メジャーなブランドでは薬膳であることや、スパイス類を売りにしたものが多かったのですが、そういったものを推さずに新たな方向性としてのクラフトコーラがあるのではないかと考えて、今回Jiuを作りました。

――メインのハーブとして「タイム」を使用した理由をお聞かせ下さい。

三嘴:試作段階では色々なことを試したのですが、その中でも意外性があってクラフトコーラと合うなと思ったのが「タイム」でした。タイムでクラフトコーラのレシピを作っていくと、料理にも合う味わいになるなあと思いました。また、少しクセのあるタイムを使うことによって「原材料の引き算」ができたんです。少ない手数で纏まった味になったと感じています。複雑な味わいもコーラの魅力だと思いますが、行き過ぎてしまうとタイムの香りがマスキングされてしまうので、それを防ぐようにしています。

――クラフトコーラにはコーラの語源でもある「コーラ・ナッツ」を入れてあることが多いですが、Jiuで使われなかったのは何故ですか?

三嘴:一番の理由はカフェインを入れたくないと思ったということですね。Jiuを飲んで覚醒はしてもらいたいのですが、それはカフェインの力では無く香りや味わいでして欲しいので、敢えて入れていません。

大智:コーラ・ナッツを入れるかどうかという議論は最初にあったのですが、僕たちが本当に作りたいのはクラフトコーラではなくあくまで「Jiu」という飲み物であり、味わいの近いクラフトコーラという名前を借りただけなので、あまり由来などには拘らずにSHINRAなりにアレンジしたということですね。

――では、コーラが「コーラ」であるために、重要な要素というのは何だと思いますか?

三嘴:すごく難しい質問ですね(笑)。僕の認識だと、カルダモンやクローブといったスパイスの香りが感じられて、一定の糖度と柑橘由来の酸味があるということがコーラの第一条件だと考えています。そして飲んだ時に、SHINRAという文脈を抜きにしても、ある程度「覚醒」することが必要なんだと思います。

大智:「クローブ入ってるね」とか「カルダモン入ってるね」とかそれぞれを認識できる必要はなくて、何か解らないけど複雑なスパイス感があるのが重要なのかなあ、と思います。

――コカ・コーラやペプシコーラの様な、大手企業系のコーラは飲まれますか

三嘴:日常的には飲まないですが、味を覚えている程度には飲んでいますね。

大智:子供の頃の方がよく飲んでいたと思いますが、コーラが大好きということも無かったですね。

――今のクラフトコーラ業界に関して抱いているイメージをお聞かせください。

三嘴:業界自体がもっと広がっていけば良いですね。一過性のブームというよりかは、飲み物全体がアップデートされるような文化を作るきっかけとなって欲しいと思っています。

大智:ここ10年、20年くらいのクラフトビールの社会的な動きは凄くいいなと思っています。多様なプレーヤーが生まれ、地域に根差したビールの開発も行われています。ただ、ビールは20歳以上にならないと飲めないですし、ビールは好き嫌いでそもそも近づかないという方もいます。その点コーラは全年齢が飲めますし、より身近な存在です。もしクラフトコーラという多様性のある飲み物で生態系が生まれたら楽しいと思いますし、それはできつつあると思っています。

 地元のクラフトビールを愛するように、地元のクラフトコーラを愛する文化が生まれたり、飲み比べて味覚の面白さに気づいて拘りを持つような人が増えたりするのではないか、と思っています。そしてその辺りは本当にクラフトビールに近しい流れをクラフトコーラが辿っていて、凄く面白いと感じています。クラフトコーラの定義をどうするのかという問題があるように、かつてクラフトビールでも定義はどうするのかという論争があったためです。

――確かに最近、ノンアルコール文化といいますか、ノンアルコールドリンクにもにも高いお金を払うという文化が形成されつつあると感じています。

三嘴:SHINRAもノンアルコールドリンクブランドですけれど、「ノンアルコール」っていう、アルコールがあって初めて成立するような名前に疑問がありますね。例えばノンアルコールカクテルもアルコールありきで、それに追いつこうとする模造品の様な立ち位置で作られることが多いと感じています。

 アルコールが入っていなくても美味しい」ではなく「アルコールが入っていないからこそ美味しい」といった、アルコールを選ばない価値観も広まって欲しいと思います。例えばフルコースの料理を食べる場面で、アルコールを選ばなくても好奇心を刺激し、充分に満足がいくような飲み物がもっと業界全体で増えて欲しいと思っています。そしてその中でのクラフトコーラという位置づけはすごく面白いですし、飲料業界全体がもっと楽しくなれば良いと思います。

SHINRAの将来について

――現在、「Suiu 翠雨 Jiu 慈雨」は売り切れていますが、次発売するのはいつ頃になりそうですか?

大智:今年の年始位の計画では、3月頃から毎月安定的に供給する予定だったのですが、諸事情によって少し時間が空いてしまいそうです。また、今はクラウドファンディングを考えていて、4月末か5月くらいから開始する予定なので、実際に皆さんのお手元に届くのは6月末から7月になってしまいそうです。

三嘴:クラウドファンディングだとそうなってしまいますね。結構空いてしまいますね。

大智:Suiu、Jiuも完成度が凄く高まってきているので、できれば早く出したいですね。クラウドファンディング期間中に、それとは別に製造したいとも思っているのですが、悩ましいところですね。

――前に大智さんのTwitterで「シロップが良いか炭酸入りの状態が良いか」というアンケートをとられていましたが、将来的にはRTDの発売も視野にいれてのことだったのでしょうか?

※RTDとはReady to drinkの略で、蓋を開けたらすぐに飲めるような飲料形態を広義では指します。また、コーラシロップのように炭酸水等を注ぐ必要がある飲料形態を、RTS(Ready to serve)と呼びます。

大智:それは検討していますね。普段家で飲まれる方々はシロップで良いと思うのですが、家の外ではそうはいきません。例えば銭湯を営んでいる方からお話があったりするのですが、そういった場所だとシロップを炭酸で割って出すということが難しいため、開けてすぐ飲める方が良いんですね。そのためコアなファン向けにシロップは製造しつつ、外でのライトな層に向けてはRTDの方が良いのかなと思っています。

――「Suiu 翠雨 Jiu 慈雨」に続く、第三のドリンクは開発中なのでしょうか?

大智:はい、もう準備しています。ただ、どのタイミングで発表するかをまだ決めかねているという状態です。更に言えば第四のドリンクはまだ決めてはいませんがアイデアは沢山ある状態です。ただ、第四のドリンクの前に何か飲み物以外をやる気がします。

――それはどういったものですか?

大智:それが食べ物かどうかも確定はしていないのですが、もしかすると食品じゃない可能性もあります。何かというと、僕らの周りにいるプロではないけれどアマチュアではないといった様なクリエイターの方々がいらっしゃるのですが、その方々の作ったクラフト作品というか、カジュアルな民芸品というか。そういった作品を紹介しながら売りたいなと思っています。

 「感性に潤いを」というのは決してドリンクだけではなくて、感受性が刺激されるようなものであれば、ドリンク以外のものもSHINRAブランドとして売ってしまうというということですね。ECサイトでJiu、Suiuが売ってる下にクラフト作品が同列に並んでいるという状態です(笑)。

三嘴「感性に潤いを」というテーマに沿っているなら、飲み物や食べ物に拘らずにやっていきたいと思います。なんか、どんどん何の集団か解らないような感じになっていくと思うんですけれど(笑)、そういうコンセプトに準じて今後も動いていきたいとは思いますね。

――SHINRAという会社やブランドは、将来どうなって欲しいと思いますか?

三嘴:僕個人の思いですけれど、地域にとって良い会社になりたいという思いはありますね。会社の登記を福島県でやっているんですけれど、それは僕と大智さんが福島県出身だからなんですね。将来的には、地元の農家さんが捨てざるをえないけれどまだ全然美味しいものを使って商品開発し、一次生産者の方の利益になるようなことができればいいなあと思っています。

大智:果物とか、福島には美味しいものが沢山あるので、そういったものを使って商品開発をしたいとも思っています。お土産用のお菓子を考えたりとか、その想いは結構強くあります。美味しい素材は沢山あるのに、イケてるお土産はあんまり無いんですよ(笑)。

三嘴:道の駅とか直売所とか、そういった場所には凄く魅力的な食材が揃っているんですが、それを加工してお土産用とかにすると、急にクオリティが落ちてしまう(笑)。

大智:それこそ、パッケージを変えてしまえばどの地域でも売ってそうなお土産が多いんですよね。そういったものが、もっとオリジナリティをもって売られて欲しいと思っています。

――今回はインタビューにご協力頂き、本当にありがとうございました。

大智:ありがとうございまいた。

三嘴:ありがとうございまいた。

【SHINRA -Twitter-】
https://twitter.com/shinra_japan

【SHINRA-Instagram-】
https://www.instagram.com/shinra_japan

※SHINRAのブランドロゴ、お二人のプロフィール画像、SHINRAのECサイトのキャプチャ画像につきましては、合同会社SHINRAさんより許可を頂いて掲載しております。他、特に断りが無い限り、画像はすべて筆者が撮影したものです。

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