紺金コーラのすべて 「FUIGO」代表、久保田氏に訊く

 先日の記事では、群馬県太田市の喫茶店「FUIGO」さんの発売された「紺金コーラ」をご紹介いたしました。そして今回はその紺金コーラの生みの親である久保田友典氏に実際に取材を行い、紺金コーラについて語っていただきました。

【インタビューを行った方】

久保田氏

久保田友典(くぼた・とものり)

群馬県太田市でFUIGO/BLACKSMITH COFFEEを経営。幼い頃から飲食店開業を考え21歳からその道へ。29歳で独立し、料理、コーヒーなどを中心に店舗経営・商品開発・講師など、飲食業界に20年勤務している飲食オタク。

 お忙しい中で取材を快くお引き受け頂いた久保田氏に、この場をお借りいたしまして改めてお礼申し上げます。

※前回の記事の続きとなりますので、以下の記事をご覧になられてから当記事を読まれることをお勧めいたします。

FUIGO/BLACKSMITH COFFE について 

――FUIGO/BLACKSMITH COFFEについてご紹介をお願いいたします。

 店名は「鞴(ふいご)」という、鍛冶職人が火をおこす時に使う風を送る機械・機器からとっています。元々BLACKSMITH (鍛冶職人) COFFEEを先に経営していましたので、そちらにもあやかりこの名前にしました。

喫茶店FUIGO、店舗外観

 自身でこだわったオリジナルドリンクのテイクアウト専門の店舗になります。小さいお子様でも気軽にいらしていただけるよう開放的な造りにしてあります。

――「FUIGO」の人気商品やお勧めのメニューは何でしょうか?

 自家焙煎のコーヒーや奈良の茶屋さまから取り寄せるほうじ茶。地元の東毛酪農牛乳を使用したソフトクリームや、オリジナルレシピのピスタチオのソフトクリームが人気です。

ピスタチオのソフトクリーム

紺金コーラ開発までの経緯 

――クラフトコーラを開発・発売しようと思ったキッカケを教えてください。

「自分の中で世界一美味しい理想のコーラを作りたい」

 そう思いを馳せたからです。人にはそれぞれ「コーラ」とのストーリーがあります。多くの方の人生の思い出として残る「コーラ」との物語とはどういったものでしょうか。子供の頃、小さな手がコーラを握った時の懐かしくも初々しい一面。暑い夏に友人と田んぼで飲んだあの日。そんな人々の記憶に残るような最高のコーラを、少年のような気持ちで作りたかったのです。

 ――紺金コーラを開発するにあたり、こだわった点を教えてください。 

 「特別なもの」「良薬」「自然の美味しさ」という点にこだわりました。材料はほとんどが有機素材を厳選して使用しています。例えば、シナモン1つをとっても産地や加工処理で香りや苦味などがそれぞれ違います。僕のできる限りの理想の素材をピックアップしました。

 味わいは有機きび砂糖のスッキリとした自然な甘さをベースに、鼻に近づける時に香る上品で「コーラ」と感じられるスパイスのバランスを目指しました。また、飲み終わった後に鼻に抜ける爽やかさと、薬のようなスパイスのバランスをそれぞれ細かく考え、理想の味に仕上げていきました。また、多くの試行錯誤を経て不必要なものを除いていった結果、柑橘類では質の良いライムのみを使用することがベストでした。

喫茶店FUIGO、店頭

――紺金コーラを開発するにあたり、ご苦労された点があれば教えてください。 

 OEM商品開発を自身のみで始めることは大変苦労しました。そして瓶の商品はまだ完全な理想とは言えないため、これから改善する必要があり、苦労しそうです。また、色んな委託会社さまと頻繁に話し合いをしています。僕自身の理想のコーラづくりを目指すためのこれからの作業量を考えると、今も気が滅入ります笑。

紺金コーラについて 

――「紺金コーラ」と名づけられた理由を教えてください。

 仕様もない理由ですが僕の好きな色です笑。しかし適当につけたわけではなく、人生のテーマカラーであったりします。この色と人生を供にしていくと思っているため、このコーラにもその意味を持たせたかったのです。

 「紺」は藍色であり日本の由緒正しい色です。日本人としての思いもあるため「紺(コウ)」「金(ガネ)」という日本らしさの残る読み方にしました。

――トレードマークにフクロウを使用されている理由を教えてください。

 こちらは、僕の大好きなロゴデザイナーさまにデザインしていただきました。その方からの引用になりますが、太田市で有名な金山(かなやま)に生息するフクロウをモチーフにされたとのことです。

――プラスチック容器と RTD の瓶飲料を同時に発売するクラフトコーラは大変珍しいのですが、同時に発売された理由が御座いましたら教えてください。

 元々お店で他のドリンクを提供する際にプラスチック容器を使用していたということもありますが、炭酸も程よく効いていてスパイス感もビビットなままで飲んで頂くのに、プラスチック容器は理想的でした。また、瓶は製品として形にしたい、という理由が強かったです。瓶のものができて「大々的に同時にスタート」という流れでした。

――「クラフトライムコーラ」と謳っていらっしゃるとおり、ライム感がとても爽やかで美味しかったです。ライムに重点を置かれた理由について教えてください。

 柑橘の組み合わせは1年もの時間を費やして色々試したのですが、1杯に詰められる柑橘の上質な酸の限界量として香りをより活かすには、「フレッシュな100%ライムをそのまま絞ったもの」というのがベストな答えだと思いました。あくまで主観ですが、どうしても味わいに関して、コーラに使用する柑橘類は複数混ぜても「1+1=3」のように、相乗効果は得られないと僕は判断しました。

――瓶の紺金コーラは、どのような場面で飲んで欲しいとお考えですか?

 デザインや材料は本当にこだわったので、やはり「贈り物」として飲んでいただきたいという思いが強いです。手渡しでギフトボックスに入り、開封された時にきれいに並んだコーラを見ていただき、喜んだり驚いたりしていただける姿を想像しております。 

kougane_craft_lime_cola_front

コーラに関する考え

――クラフトコーラにはコーラの語源でもある「コーラ・ナッツ」を入れてあることが多いですが、紺金コーラで使われなかったのは何故でしょうか? 

 あくまで個人的な意見というのを前提で、更にこの部分は上手く回答できないことをご了承いただきたいです。実は、コーラナッツを入れることもできたのですが、その比重を多くすると味わいは僕の気に入るような味にはなりませんでした。少量で、味に変化がない程度に入れるということはできたのですが、どうしても気になってしまうため入れませんでした。

 あくまで自分の理想とするコーラを作りたかったという背景があります。今後はわかりませんが、今はそのままでいたいと思います。

――コーラが「コーラ」であるために、重要な要素というのは何だと思われますか? 

 うまくは言えないのですが、「今のCoca-colaの存在」だと思います。現在まで様々なコーラが生まれていますが、元を辿ればコカ・コーラを原点として発展しています。多種多様なコーラが存在するのもコカ・コーラがあるからこそですので、仮にその大元が「コーラはこうであるべきだ」という定義をつけたなら、それ以外はコーラではなくなってしまうと思います。

 ただ、もし「〇〇が入ってないとコーラではない」という定義が存在するのだとしたら、それに添いたいとは思ってます。

――コカ・コーラやペプシコーラの様な、大手企業系のコーラは飲まれますか?

 飲みます!大好きですが歳を取るにつれて前ほど飲む機会は減りました。

紺金コーラの将来について 

――ネット通販を考えていらっしゃるようですが、開始時期はいつごろでしょうか?

 できるだけ早くリリースできるよう今現在奮闘中です!とりあえず通常の発送のもので5月末には間に合わせる予定です!

※現在はネットショップが公開されています!
【URL】https://kouganecola.stores.jp

紺金コーラネットショップ

――ラベルのデザインを担当された佐藤浩二氏の twitter の画像に、シロップ瓶タイプと思われるものが写っており ましたが、今後シロップタイプのものも展開する予定なのでしょうか?

 はい!現在進めさせていただいてる会社様もあるにはあるのですが、小ロットで素敵な瓶に入れていただける会社様があればぜひ紹介してください!笑。

――紺金コーラは、将来どうなって欲しいとお考えですか? 

 結婚式やお祝いの贈り物として使っていただけたらそれが一番うれしいです。

 シロップタイプや店頭でのプラ容器販売されるものも常飲できるかもしれませんが、やはり普通のコーラと比べるとどうしても価格面でハードルが高いと思います。僕自身もコカ・コーラも安くて大好きですし、「高くてもいいから本当に紺金コーラが好きで毎日飲みたい!」というマニアックな方だけ常飲していただけたらそれが幸いです。

――今回は取材にご協力頂き、本当にありがとうございました。

ありがとうございまいた。

【公式LINK】
<BLACKSMITH COFFEE (FUIGO) OFFICIAL>
https://blacksmithcoffee.localinfo.jp/
<Instagram>
https://www.instagram.com/blacksmith.coffee/

※プロフィール画像、ECサイトのキャプチャ、FUIGOさんのInstagramに投稿された画像につきましては、久保田氏により許可を頂いて掲載しております。他、特に断りが無い限り、画像はすべて筆者が撮影したものです。

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