最後に飲むコーラは何ですか？
始まりがあれば終わりがあり、生きとし生けるものには必ず「最期」が訪れます。私も、人生の最後に口にするコーラは何かなあと、ふと考えることがあります。普通にコカ・コーラかなあ、それとも個人輸入したコーラかなあ、新発売のクラフトコーラかなあ。そもそもコーラを楽しめる健康状態かなあ……。
そんなことを常々考えていたため、７月末に登場したこのコーラのストーリーには非常に惹かれるものがありました。それが「OFF COLA am2:00 / pm6:00」です。公式サイトのトップページには意味深な文章が綴られています。
――――――PM 6:00――――――
世界が終わるまで、あと24時間。
”友達とお金を好きに使って遊ぶ”
”好きな人に告白する”
”親に感謝を伝える”やりたいことは色々と浮かんだけど、
まずは冷蔵庫に残っていた クラフトコーラをひと口飲んだ。
糖分と、酸味が、脳を刺激する。部活帰りに食べたポテトや、サークルの友達との宅飲み。
何でもない日々を思い出していた。やりたかったことを全部やろうとして、
自分らしい時間を忘れていたのかもしれない。
クラフトコーラの瓶に付いた水滴が、
過ぎた時間を表していた。随分と会ってない友達からの着信に気づく。
OFF COLA公式サイト https://offcola.citycamp.co.jp/
――――――AM 2:00――――――
皆がバーに集まっているらしい。
カバンもスマホも持たずに、ぼくは歩き出していた。
終末もののフィクションが大好きな私は、このストーリを見た途端に一気に色々と考えました。スタートはPM6:00でタイムリミットは24時間。何が地球に起こったんだろう…。買う前から妄想は膨らむばかりですが、とりあえず購入しようと思いました。しかし購入ボタンを押すと、
ええええええええええええええええええええええええええええええええええ
なんと、指定の時間帯でないと購入できないようになっていました。ちなみに現在お昼休憩の12時半。購入するにはあと5時間半待たないといけません。そのため午後の仕事をソワソワしながらこなし、帰社途中の道すがらで午後6時になり即購入しました！
あ、OFF COLAは2本で1セットなので、どちらの時間帯で購入しても２本とも購入できますよ！午後6時と午前2時にそれぞれのシロップ瓶が購入できるような感じでも面白かったかもしれませんが笑
OFF COLA到着！
さて、購入から数日後に待ちに待ったOFF COLAが到着しました！スクエア型の外箱には夕陽の丘が淡く描かれていてとてもお洒落です。その昔、フィルムカメラを嗜んでいた頃に買っていた印画紙の箱がこんな感じで、少々ノスタルジックな気分になりました。
ふたを開けると、和紙に包まれた恰幅の良い角瓶が2本姿を現します。そして勿論、この２本はそれぞれ味が違います。
OFF COLA PM6:00
「OFF COLA PM6:00」は、その名前の通り午後6時に飲むことが推奨されているクラフトコーラです。パッケージには日没近くの夕焼けが描かれています。場所や季節によって日没の時間帯は違うため、午後6時に飲むというよりかは黄昏時に飲むのが正解なのかなあ、と勝手に解釈しています。私としては終末の夕焼けは真っ赤な感じが理想なので、赤めの夕焼けの日に撮影しました。
材料はきび砂糖、クローブ、キャラウェイ、メース、山椒、ナツメグ、スターアニス、トンカ/香料となっています。OFF COLA PM6:00 のユニークな原材料は「キャラウェイ」と呼ばれるセリ科の二年草で、ほのかな甘さと苦さを併せ持つスパイスなのだそう。
全体を通してきび砂糖の力強くも風味のあるコクが広がります。口に含んだ瞬間から半歩遅れてくるハーバル感の中に、後述するOFF COLA AM2:00 にはない風味を感じましたが、これがキャラウェイなのだと思います。余韻は山椒のピリピリとした感覚と柑橘感が糸を引く感じです。
全体的にフルボディで飲みごたえがあり、AM2:00に比べ全体的に丸みを帯びた印象を受けました。キャラウェイにはリラックス効果や整腸作用、消化促進効果が期待できるそうで、一日の終わりとして、そしてその後の自分の時間を過ごすためへの一杯として最適だと思います。
OFF COLA AM2:00
「OFF COLA AM2:00」も、午前2時に飲むことが推奨されているクラフトコーラです。こちらではラベルを飾るのは太陽ではなく月です。 ちなみに撮影はきちんと午前2時に行い、そのまま午前2時代に頂きましたよ！
材料は、きび砂糖、クローブ、カルダモン、メース、しょうが、ナツメグ、スターアニス、山椒、トンカ、レモングラス/香料です。OFF COLA AM2:00 のユニークな原材料は「しょうが」と「レモングラス」となります。
きび糖の風味は前述の通りですが、ハーブ・スパイス感に微妙な違いがあります。キャラウェイが抜けて生姜の爽やかさとシトラールの含まれているレモングラスが加わったことにより、全体的に軽やかで強い柑橘感を感じます。公式の案内を確認するとPM6:00が「レモンフレーバー」でAM2:00が「オレンジフレーバー」だそうですが、比較的ライトな味わいのこちらの方がレモン的であると私は感じました。
詳しくは後述しますが、OFF COLAはキャンプ等の屋外で飲まれることも想定しているようで、夏場であっても屋外だと涼しくなります。そんな時に体を温める生姜が入っているのは嬉しく感じるでしょうね。デッキチェアに腰掛け夜空を眺めながら飲むOFF COLA AM2:00は最高だと思います。
込められた想い
OFF COLAを作られた「CityCamp株式会社」さんは、“なんでもできる街で、なんもしないをしませんか” をコンセプトとして掲げられて活動をされています。具体的には人々のサードプレイスになることを目指して、都会の屋上にキャンプ場を建設されるそうです。都会の喧騒を都会の中で忘れるような仕掛けを作ろうとされており、その第一弾のプロダクトとして「コーラ」を選ばれたそうです。
私は最初、公式HPのストーリーにばかり目が行き、「終末を想定したコーラなんだな」と思っていましたが、それはあくまで「明日世界が終るとしても”何もしない”」という想いを伝えるためのブランドストーリーであり、重要なのは「どんな時でも気持ちをOFFにして癒される勇気を持とう」ということなのです。そしてこれは、強壮効果を期待されて生み出された「コーラ」というものの本来の思想としては相対するものです。
そんなOFF COLAによく似た考えを持つ飲料としては「CHILL OUT」が思い出されます。直訳すれば「落ち着く」であり、現代社会に必要なのは「エナジー」より「リラックス」だと主張した、エナジードリンクとは真逆の考えを持つリラクゼーションドリンクです。
現在世の中ではエナジードリンクが流行し、人々はカフェインやアルギニンの含有量の話題に花を咲かせています。そして、そんな世界に「チルい飲料」がじわりと広がってきています。「OFF COLA」もまた、癒しと安らぎを人々に提供し、「チルいクラフトコーラ」として愛されていくことでしょう。
CHILL OUT も2年ほど前にコーラフレーバー出してましたね
【OFF COLA リンク】
HP : https://offcola.citycamp.co.jp/
Instagram : https://www.instagram.com/offcola.jp/
特に断りが無い限り、画像はすべて筆者が撮影したものです。