ローカル性を極める『瀬戸内三豊コーラ』
「地コーラ」というジャンルがあります。沖縄県は伊江島の黒糖と湧き水で作られた「BLACKCANE COLA」や、ご当地コーラを製造する代表的企業である木村飲料の「しずおか茶コーラ」は、もう10年以上も続くロングセラーです。こういった、地元の名産品や材料を使用したローカル性の強いコーラを作ろうという動きは、2000年代から次第に定着していきました。
クラフトコーラに関しても同様で、そのローカル性はより強固なものであるように感じます。地元の砂糖や柑橘類やスパイス類等を使用し、その地域に貢献するようなクラフトコーラ作りが、現在の主流となっているのです。
そしてその「地域に貢献する」ということを極限まで追求されようとしているのが、瀬戸内うどんカンパニーさんの「瀬戸内三豊コーラ」なのです。詳しくはCola Fanの過去の記事を御覧ください!
外観
はじめに、瀬戸内三豊コーラ到着時の画像です。専用のギフトボックスに入れられ、とてもお洒落ですね。また瓶にはネット状の緩衝材も巻かれ、箱と共に長身の瓶をしっかりと守っています。
そして眼を見張るのが、シンプルなモノトーンながらも存在感のあるラッピングペーパーです。エンドレスに刻まれた「MITOYO」の文字が美しく配置されていますね。こういった瓶を包装紙で包むクラフトコーラは珍しく、特別感をより一層感じさせます。お土産等で頂いたら何が中に入っているのかと、ワクワクしながら開けること請け合いです。
そんな高揚感のなか包装紙を開けると、背の高い円柱の500ml瓶が出現します。縦に流れる様な青緑のラベルがとても爽やかですね。そして中央に位置する三つのマークが気になりました。オフィシャルサイトにもこのマークの意味は紹介されていないため、勝手に考えてみます。
まず、風が吹いた様な三本の線は三豊市の市章にも似たような柄が存在し、市章の方は三豊市の三つの豊かさである「海・山・田園」を表しているといいます。ラベルに描かれているこちらのマークも、同様の想いが込められている様に感じます。また、波の様なマークは瀬戸内の海を。日の出の様なマークは太陽の恵みを表現しているのではないでしょうか(違っていたらごめんなさい!)。
試飲
原材料は、グラニュー糖(国内製造)、曽保(そお)みかん(香川県産石地)、コーラナッツ、カルダモン、クローブ、オールスパイス、シナモン、THIRD RICH SALT (塩)(香川県父母ヶ浜産)、黒胡椒、香川本鷹(香川県三豊市庄内半島産)、レモン果汁となっています。
特筆すべきはやはり、「曽保(そお)みかん」、「THIRD RICH SALT」、「香川本鷹」でしょう。これら3つの食材はそれぞれ、「柑橘農家の担い手不足」、「塩作り文化の継承」、「耕作放棄地問題」という地域課題に対するチャレンジの表れでもあります。
出だしから広がる、酸味のしっかりとしたみかんの柑橘感とスパイス類から生じるコーラ感が爽やかです。グラニュー糖一本で作られているため後味もスッキリとしており、全体を通して軽い口当たりです。そこに塩味が加わることにより味が引き締まり、更に味わいに奥行が生まれています。
また、黒胡椒や唐辛子が使われたコーラは、辛味がピリピリと長く残ることも多いですが、こちらはあくまで上品に、ほんのりと残る感じです。全体的にバランスが良くキレがあるため、確かなスパイス感を楽しみつつ食事の邪魔をしない仕上がりとなっています。
飲み終わって考えたこと
先述した「担い手不足」「文化の継承」「放置された土地」の問題は、決して三豊市だけの問題ではなく、日本各地で生じていることです。そういった地域課題を解決するため地元の多くの方々が本気でチャレンジされた結果が、この瀬戸内三豊コーラです。これはもう、ローカルコーラの一種の到達点といっても過言ではありません。
将来、色々な地域からこの様な、地元を愛し、地元に愛され、その地域に活力を与えるようなムーブメントがもっともっと増えることを願ってやみません。私も今はこうして、他の方々のチャレンジを応援することしかできませんが、今後は私にできることをしっかりと考え、できることから始めたいと思いました。本当に素晴らしいコーラでした。
クラウドファンディングも大好評
瀬戸内三豊コーラは3/8にCAMPFIRにて先行販売向けのクラウドファンディングを開始し、僅か1日で目標金額の70%を達成するという驚異的な記録を打ち立てています。そして支援総額は目標金額の2倍以上となる103万3300円で終了しており、いかにこのクラフトコーラが注目されているかを伺うことができます。
みなさんも三豊の豊かな恵みを感じてみてください!
※今回は販売元である地域商社「瀬戸内うどんカンパニー」様より、瀬戸内三豊コーラをご提供して頂きました。この場をお借りしまして、改めて御礼申し上げます。
特に断りが無い限り、画像はすべて筆者が撮影したものです。