突然登場、翌日に売り切れ
2021年9月13日、午前11時30分。その炭酸飲料は突然、何の伏線もなしにいきなり日清食品の公式サイトに登場し、人々を混乱させました。「日清カップヌードルソーダ」のお出ましです。
1971年9月18日発売の、カップラーメンの原点にして頂点「カップヌードル」。半世紀に渡りカップラーメンの玉座に君臨してきた大ヒット食品は、2021年8月には全世界で500億食を達成しました。「ホンダ・カブ」や「ソニーのウォークマン」と並ぶ、日本が世界に誇る偉大なプロダクトですね。
勿論その50周年となれば、国を挙げて盛大に祝わなければなりませんが……。え、なんでソーダにしたの?
疑問は尽きることはありませんが、私も変な清涼飲料を愛する者の一人。深く考える前に、とりあえず購入してみましょう。なあに、クラフトコーラのせいでとうの昔に金銭感覚は麻痺している。
私はAmazonで「日清食品 カップヌードル 50周年記念 カップヌードル 9種 &ソーダ 4種 スペシャルアソートBOX」を注文しました。ちなみに日清食品のオンラインストアでは「カップヌードル 50周年コンプリートセット」が販売しており、Amazonで売られたセットにカップヌードル味のうまい棒が9種追加され、「辛麺」がマイナスされたものとなります。
コンプリートセットの方は翌日には売り切れたみたいで、皆さんチャレンジャーですね。
ソーダ、襲来
残暑もあっけなく涼しくなった9月18日、配達員に抱えられてわが家へとやって来ました。
でーん
蓋を開けると、カップヌードルの上蓋がズラッと並びます。そして中心のカップヌードルの四方にソーダが詰められています。
そしてこれが日本を震撼させた、カップヌードルソーダシリーズです!。右から「チリトマトソーダ」「シーフードソーダ」「カップヌードルソーダ」「カレーソーダ」となります。製造は、大手飲料メーカーのODM製品の企画・製造も手掛ける、飲料製造大手の「株式会社ニッセー」で、このカップヌードルソーダも共同開発しています。
果たして、どんな味なんでしょうか!?
ドキドキの試飲
まずは王道である「カップヌードルソーダ」から。蓋をあけるとまず、強い生姜の様な香りを感じます。その後ろに、うっすらとラーメンスープの香りが・・・笑。あれ、これに口をつけないといけないの?
口に含むと強いジンジャー感がして、全体的に若干違和感を感じるものの、ほぼジンジャーエールです。ただし、味わいの一番奥にはカップヌードルのネギとスープと麺の影が見え、予断を許さない状況です。余韻に残る若干の塩味も、飲みなれれば気にならないかな?酸味は全体的にラムネ菓子っぽい印象です。飲めないことはない。
原材料を確認すると、やはり生姜汁が入っていました。そこに醤油だれと続いていますね。凄いのは、最後に「一部に小麦・卵・大豆・鶏肉を含む」と書いてあります。これはアレルギー表示対象の義務と推奨を合わせた28品目に含まれているものでありますが、炭酸飲料で見ることになるとは・・・。まさかカップヌードルと同じ製造ラインで作ってるわけじゃないですよね?笑
さて、お次は「シーフードソーダ」です。注いでみると・・・あれ?
若干青いんですが・・・
香りはホタテの様なグラタンの様な・・・。恐る恐る一口つけてみましたが、あれ?クリーミーでいける。ミルク感と魚介の感じがクリームパスタソースっぽくコクがあり、私の中ではさっきのカップヌードルに比べたら悪くないのです。ただ、
これらの企画をされた株式会社ニッセーの取締役を務める川村氏のツイートによると、シーフード味は最後らしいので、私の味覚をあまり期待しないようにお願いします笑。というかもはやこの時点で何が美味しくて美味しくないか味覚が混乱してきています。
原材料には堂々の脱脂粉乳。そこにかきエキス調味料や香味油が続きます。クリーミーでコクのある感じはこの辺が由来ですかね。
お次は「チリトマトソーダ」。今更ながら缶正面の左上の「あの味がおいしいソーダになった!」というフレーズに殺意を覚えます。この缶には唯一「果汁19%」という表記があります。果汁19%とは炭酸飲料としては随分と入っている印象を受けますが、いったい何が入っているの?トマト?
香りは間違いなく「ミートソース」です。飲んでみるとトマトのようなニンジンのような味わいがしますが、他の味が被さってそう感じるだけで、ベースとなる果汁はおそらく「オレンジ」でしょう。確かに川村氏のツイート通り、フルーティーで飲みやすいです。後味にくる唐辛子のような香辛料のヒリヒリ感も、クラフトコーラで慣れている私には違和感を感じません。
原材料は・・・やっぱりオレンジでした!わーいわーい。それにトマトも入っていますね。辛味に関しては香辛料抽出物としか書かれていませんが、やはりこの尾を引く感じは唐辛子系な感じがしますね。
最後は真打ち「カレーソーダ」!これだけのためにここまで頑張ってきました!なんとラベルに「カレーのスパイスが香るコーラ」と書いてあるのです!「コーラ」と書いてあれば、それはもう私の領域であり、勝ったも同然です!!!(何が?)
全体的にウスターソースの香りが。かつてトンボ飲料から「金沢カレーコーラ」が販売されていましたが、その香りに似ています。金沢カレーコーラは終売しているため、懐かしい香りが涙を誘います。
香味に関しても、カレーというよりかはソースな味わいです。「カレー味の炭酸飲料の宿命」とでも言いましょうか。大体こんな味に纏まるんですよね。ふふん。でも奥にあるコーラ感は確かに感じ、スパイシーなクラフトコーラ寄りコーラという点ではいい感じです。
ユニークな原材料はカラメル色素と、チリトマトでも見た香辛料抽出物くらいですか。他のものに比べると大人しいですね。
総括
私はこういう、ゲテモノのような炭酸飲料は大歓迎であり、清涼飲料を楽しむ醍醐味のひとつであると思っています。間違っても生活必需品ではないため購入は自由意志ですし、皆を笑顔にする大きな力を持っていると思うからです。
今回のソーダ4種は味はどうであれ、「よく考えられて作られているな」と思いました。それぞれの炭酸飲料は間違いなく元になったカップヌードルの一面を捉えており、それをどうソーダに昇華するのか結構悩まれたのではないでしょうか。こういう一見ふざけた様な企画ほど、人は真面目に取り組むものであると私は感じています。
4種類という数も絶妙でした。今回買ったアソートにはカップヌードルが 9種入っているのですが、さすがに同じ数のカップヌードルソーダがあったら飲んでるうちに中だるみしてしまうのではないでしょうか。王道のカップヌードル味のソーダ4種をサッと出してサッと消える。 そんな企業側の潔さも垣間見える良い製品であると思いました。
だからこそ、もう
第二弾だけは作らんといてくださいよ!
特に断りが無い限り、画像はすべて筆者が撮影したものです。