初めてのクラフトコーラクラフトの話し

偽りの喪失感

[CALEB’s KOLA]との切ない別れの後、ぼくは喪失感に見舞われていた……

なんつって。

特になんも思っていなかった。

正直言うと
「あー、あのコーラまた飲めたらいいな」
くらいだった。
それよりも思ったのは
「コーラって自分で作れんの?」
と、いう疑問だった、以前書いた伊良コーラは手作りのコーラ。ピザ屋さんにも自家製ジンジャーエールがあった。

そして制作へ……

その日ぼくはスーパーにいた。
コーラってこんな少ない材料でできるの??
《クラフトコーラレシピ》
で検索したときのぼくの印象はこれだった。
特別なものはほとんどなくて近所のスーパーで手に入るようなスパイスで構成されたその飲み物はぼくの脳内の制作意欲をほどよく刺激した。
クラフトコーラって飲む前から脳を活性化させる働きがあるんだ。
まあ、ぼくが勝手に言ってるだけなんだけど。
と、いうかノリで書いただけなんだけど。

作り方は驚くほど簡単だった。
材料を鍋に入れて煮出すだけ。
ただ、作ったあとに一晩寝かせないといけなかった。

今まで生きてきてこんなにも夜明けを待ち遠しいと思うことが今まであっただろうか…………

先日嫁さんに買って貰った低反発枕は効果てきめんだった。
ぼくはすぐに眠りについた。

味見と懺悔

一晩寝かせたコーラの原液は琥珀色をしていた。
作りたてと比べるとなんだか香りがまろやかになったようだった。
炭酸水で割って一口飲む……
味は是非1度作って欲しいから敢えて書かない。
簡単だから1回作って欲しい。
きっと夜明けが待ち遠しくなる。

隣に住んでいる両親に飲ませようと思ったのはおやじがよくコーラを飲んでいるのを知っていたから。
嫁さんの反応は上々だ。
もっといろんな人の反応が見てみたい。
おやじは普通に旨いと言った。
母ちゃんはレシピを見せろと言ってきたので見せたところカルダモンが少し強いと言った。
ごめん、母ちゃん。
カルダモン、スーパーに売ってなくてこれには入ってないんだよ。
この場を借りて懺悔させて頂きます。
大人というのは時として場の空気を壊さないために、人のミスを敢えて指摘しないこともたしなみの1つなのである。
お父さん、お母さん、ありがとう。
ぼくは人に情けをかけられる人間になったよ。

このクラフトコーラを持って今度はピザ屋さんに行くのだけれど、そのコーラがまた不思議な縁を生むことになる、
その話しはまたの機会に。

これがぼくが初めて作ったクラフトコーラの思い出。

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