物の始まりが一ならば国の始まりが大和の国、島の始まりは淡路島、泥棒のはじまりが石川五右衛門ならコーラの始まりがコカ・コーラ!
男はつらいよシリーズ、寅さんの啖呵売を一部改変
よく解らない出だしですみません。
お前誰?
皆さんはじめまして!空水りょーすけ(soramizuryosuke)と申します。私は昨年末からwebサイト「コーラ倶楽部」を運営しており、この度Cola Fanさんのライターとして記事を投稿することになりました。今後ともお見知りおき申し上げます。
ここ数年で「クラフトコーラ」という言葉が登場し、先日もtwitterで「#手作りコーラ」というワードがトレンド入りするなど、最近何かとコーラへの関心が高まっていると感じます。そして遂にこの様な複数人でコーラやソフトドリンクの記事を書くような情報系サイトまで登場し、コーラ好きの末席に居る者として、非常に嬉しく思います。
コーラ趣味との出会い
今から約10年前、当時10代後半だった私は近所にあるスーパー銭湯に通うのを日課にしていました。お風呂に入り休憩処でテレビを観て、漫画を読みながら瓶牛乳を飲み、アイスを食べる。正に至福の時間です。更にそのスーパー銭湯の近くには鉄道が通っており、窓を向いたソファーのある休憩室では、間近で列車を鑑賞できるようになっていました。鉄道ファンでもある私は、この迫力のある場所を非常に気に入っていました。
2010年の7月末。お風呂から上がった私は、ある一本のコーラが脱衣所の自動販売機に売られているのに気が付きます。それがサムネイル画像にも使われているアサヒ飲料の『グリーンコーラ』でした。
当時「コカ・コーラ」と「ペプシ・コーラ」の違いもよく知らなかった(今でもよく解らない)私ですが、ルーチンになっていた湯上がりからのビン牛乳も食傷気味だったので、たまには炭酸飲料も良いかなあと、何気なく購入し飲んでみました。そしたらこれが凄く美味しい。コカ・コーラでもペプシコーラでもない新しい味。しかしそれがコーラということは理解できる。一瞬でこのグリーンコーラの虜になりました。そしてその直後、私の中にあるひとつの疑問が生じました。
「コーラって何だろう?」
子供の頃から当たり前のように存在しているコーラ。何の気なしに皆が手にとっては飲んでいるコーラ。飴の袋に「イチゴ味」「メロン味」「オレンジ味」という、具体的な素材の形を連想できるラインナップに、当たり前のように入っている「コーラ味」という非常に曖昧なフレーバー。そういえば学校の文化祭で飲食店をやった際は安いコーラを仕入れたな。あれはどこのコーラだったんだろう…。
色々な疑問が浮かび、それを考えている内に「これは趣味として成立するんじゃないのか?」。そう思いました。昔から「人が右向きゃ自分は左」という天の邪鬼だった私は、誰もやってないことを始めたい年頃でした。コカ・コーラのコレクターが居ることは当時でも知っていましたが「コーラ」という一般名詞に目を向けている人なんて居ないんじゃないか!?そう思いました(まあ、よく調べると結構いらっしゃったんですが…笑)。そんなことがあり、私は「コーラとは何か?」という疑問を、自分が納得するために活動し始めました。
伝えたいこと
そんなコーラとの出会いから、10年以上経過しました。ティーンエイジャーだった私はすっかり過去になり、現在はサラリーマンをしています。特に飲料系の仕事ではありません。この10年間ゆる~く、あくまで趣味として楽しんできました。言い換えれば「人より多くコーラを飲んできただけ」です。ですから、私が皆さんにお伝えできるようなことは多くありません。あるとすればそれは「コーラを趣味にすると楽しいよ」ということ位であり、それが私にとって一番「伝えたいこと」であります。
そのため、これから書くであろう私の記事をご覧になる方が「ああ、コーラの世界って楽しそうだな」とか、「このコーラ買ってみよう」とか思って下さるのであれば、これ以上に嬉しいことはありません。そう思ってもらえるように、私もできるだけ楽しい記事を書くように心がけますので、皆様どうぞよろしくおねがい申し上げます。
グリーンコーラについて
せっかくなので私の「始まりのコーラ」について、もう少し掘り下げて紹介しておきます。
『グリーンコーラ』は、2010年5月25日にアサヒ飲料から発売されました。植物由来の原材料を使用した、着色料ゼロ・カフェインゼロ・保存料ゼロの素材派コーラであり、同社が当時展開していた「大人炭酸」というブランドのシリーズ第1弾として登場しました。CMには歌手の氷室京介氏が出演し、大人炭酸シリーズのキャッチコピーである“大人、はじける。”を印象づけています。
特筆すべきは2008年より同社の人気ブランド「三ツ矢シリーズ」に導入されている「フレッシュクオリティ製法」※1 を、このコーラにも使用しているという点です。通常はボトルに液体を充填し栓をした後に滅菌のために加熱処理を行いますが、この時に熱に弱い香り成分が減少してしまうという問題がありました。フレッシュクオリティ製法では、無菌状態で充填と密栓を行うことにより、その問題を技術的に解決し、果実等の植物由来の成分がより残るようになっています。
また「果実とモルト」とラベルに書いてあるように、このコーラにはアサヒビールの黒ビール製造技術を生かせる黒麦芽も使用され、飲みごたえをアップさせています。全体的な味わいを一言で表すと「三ツ矢サイダーのコーラバージョン」で、果実感を程よく感じ味わいのバランスも良く、下支えするコーラのフレーバーも力強く飲みごたえも充分で、とても美味しかったです。
私にとって理想的な味わいのコーラでしたが発売期間は短く、発売から数ヶ月で終売となってしまいました。これ以降、アサヒ飲料は「ドデカミンコーラ」や「ウィルキンソン ドライコーラ」など、同社の他のブランドとコーラを掛け合わせた飲料を発売しました。また、アサヒビールからは「アサヒ コーラ&モルト」という、コーラとビールを掛け合わせたカクテルや「コーラサワーテイスト」のノンアル飲料を発売しました。しかしながら、「コーラ」単体で勝負をしているものは、グリーンコーラ以降アサヒブランドからは登場していません。
再販してくれないかなあ・・・
※1 現在での呼称は「フルーツクオリティ製法」です。