時代を潤す『Suiu 翠雨 Jiu 慈雨』

この一年で、プライベートでも仕事でも家にいることが多くなりました。昨年緊急事態宣言が発出され、不要不急の外出は控えるようにとの御触れが出た際、元々インドア派の私は「そんなに苦ではないなあ」と漠然と思っていました。しかし「いつでも外出できる状態で家にいること」「外出が制限された状態で家にいなければならないこと」は心理的に随分と違うもので、暗澹たる閉塞感をどこか心の隅で感じながら日常を過ごすことが多くなりました。そういった「心が乾いたような感受性が鈍ったような」感覚は、私だけではなく皆さんも感じているところだと思います。

そして、そんな時代に、ある飲料ブランドが立ち上がりました。「感性に潤いを。」というテーマで素材の味を追求する「SHINRA」さんです。

感性に潤いを。

合同会社SHINRAは、2020年10月19日にだいち氏(twitter)とみつはし氏(twitter)が共同代表という形で設立した、ノンアルコールドリンクブランドです。元々はレストランを併設したクラフトビールの醸造所を計画されていましたが、コロナ禍の影響で断念せざるを得なくなったそうです。しかし、そこから一転して「ホップ」を使用した美味ししいノンアルコール飲料の開発に着手されます。

ビール、とりわけホップがお好きだというだいち氏。ビールでしかほぼ使われないホップを、ノンアルコール飲料で使用したいという強い思いが見受けられます。そうして完成したのが、ホップが香るノンアルコールドリンク『Suiu翠雨』と、ボタニカルクラフトコーラ『Jiu慈雨』なのです。

Suiu 翠雨 Jiu 慈雨

第一弾

第二弾

「Suiu 翠雨」と「Jiu 慈雨」は昨年10月上旬に第一弾が発表され、今年三月上旬にリニューアルされた第二弾が発表されました。リニューアルにあたり瓶のデザインは、R面取りがされた様な角柱瓶から円柱瓶に変更がなされており、キャップも木製キャップをはめこんでいたものが、汎用的なスクリューキャップに変化しています。ラベルデザインはambientdesignsの和 祐里氏(twitter)が担当され、シンプルながらも印象的です。水彩タッチで描かれた、淡い水滴が画用紙に沈んだ様なにじみが、それぞれのドリンクのイメージカラーを彩っています。

製造はどちらも埼玉県にある「ときがわブルワリー」で、同工房も地元の桂木ゆずを使用した『1/63 埼玉クラフトコーラ』を製造されています。また、ときがわブルワリーも最初はクラフトビールの製造を考えられていたとのことで、SHINRAさんが製造をこちらに委託された動機のひとつになっているのかなあと、勝手に考えてしまいます。

さて、SHINRAの第二弾のツイートに「あなたの五感で感じたことや、感情の変化など心の機微を大事にしてほしいです」とあるように、これらの飲料には飲む側にも「感性を最大限発揮してほしい」という作り手の願いが込められています。

具体的な例を挙げると、音楽ストリーミングサービスの「Spotify」には、SHINRAとしてプレイリストが存在し、だいち氏がセレクトした音楽を聴きながら、ドリンクを楽しむことができます。伝わってくるのは、プロダクトとして飲料を届けるだけではなく、それを飲む際の空間まで演出するという心遣いです。私はこれまで、何か飲む際に音楽に拘ろうと考えたこともなかったので、正に「感性に潤い」を与えて頂きました。

Suiu 翠雨

『Suiu 翠雨』とは「草木の青葉に降る雨」という意味だそうで、個人的にイメージしたのは「君の名は。」で有名な新海誠監督作の「言の葉の庭」のキービジュアルでした笑。ラベルには

緑の葉を鮮やかにする雨は、その葉をも輝かせる。
新しいホップドリンクの体験

TOEIC100点の私が翻訳サイトを駆使して翻訳

と書かれており、新緑の若々しさと水滴の瑞々しさの広がった空間を思い描いてしまいます。ラベルの水彩の色合いも、新緑と液色が合わさったような色合いです。そして、このラベルの黄緑色は、Suiu 翠雨に多く入っている「ホップ」の色合いによく似ています。

原材料として三温糖、パッションフルーツ果汁、パイナップル果汁、ホップ(国産のカスケードとチヌークを使用)、ホップエキスが使用されています。飲む前に気になったのは希釈時100mlあたりの熱量が12.2kcalとかなり低いという点です。一概に比較はできませんが、後程紹介するJiu 慈雨は71.1kcalあります。基本的に熱量が高ければ高いほど甘いため、Suiu 翠雨の場合はかなり甘さが控えめと言えるでしょう。原液でも少し舐めてみましたが、そのままでも飲めそうな淡い甘さでした。

飲み始めよりパッションフルーツの酸味とホップの苦みが心地よく、甘さが控えめなこともあってドライな炭酸感が楽しめます。後味にも感じるホップの苦みとパイナップルの果実感は、雑味もなく爽やかです。どこかビールを彷彿とさせる香りが漂いながらも新感覚な味わいは、今後ホップがビールの原材料の枠組みを超えて活躍する可能性を飲む者に想像させます。魚料理に合うということでお寿司と一緒に楽しみましたが、魚の味を邪魔することもなく良い相乗効果を生み出していると感じました。

Jiu 慈雨

『Jiu 慈雨』とは、「日照り続きの時に降る雨、恵みの雨」という意味だそうで、当初茜色の涼しい夕暮れを連想していたのですが、そう言われるとラベルの丸く滲んだものがじりじりと輝く真夏の太陽に見えたりして、面白いなあと思います。ラベルには

植物を潤す恵みの雨。
このクラフトコーラは、繊細でボタニカルな味わい

TOEIC100点の私がまたまた翻訳サイトを駆使して翻訳

と書かれており、飲む前からワクワクします。私は新しいコーラに出会った時は、ラベルと原材料、栄養成分表示からどんな味わいなのか充分想像してから飲むようにしています。自分が想像したような味だった時は嬉しいですが、予想とは違った味で美味しかった時は、本当に新しい出会いなので更に嬉しいです。そしてこのJiu 慈雨は後者でした。

原材料としてはレモン果汁、三温糖、グラニュー糖、クローブ、カルダモン、シナモン、タイム、バニラビーンズ、スターアニスが使用されています。こちらにはホップは使用されていないようです。特筆すべき点は古くから肉魚料理に用いられるハーブ「タイム」が使用されていることでしょう。強い殺菌効果と抗ウイルス作用があるタイムは爽やかながらもほろ苦さを感じさせる働きがあります。

飲む前の香りから、時代が付いた芳しい木々の様な、ふくよかな大地の様なアーシーさを強く感じます。それは飲み進めても同じで、そこにレモン果汁の真っすぐな酸味を、確かな甘さを感じます。それらを支えるクローブ、カルダモン、シナモン、バニラビーンズ、スターアニスの奏でるコーラ感も申し分なく、それらが織りなすアロマは、まるで葉巻を燻らす時に近く、非常に落ち着いた気分になりました。ここまで個性を出しつつ味に纏まりを感じるコーラは珍しく、ただただ純粋に「美味しい」と感じられ、それこそ理想的なコーラの姿であると私は思います。こちらは肉料理に合うということで牛肉のタリアータを作って頂きましたが、コーラのハーバル感と牛肉との相性が抜群でした。

五感が潤うということ

この二つの飲料が教えてくれたのは「感受性を育てることの重要さ」です。私は趣味柄、日々多くの種類の飲料を飲みますが、自分に興味がないジャンルの飲料の場合は何となく栓を開けて、何となくラベルを眺め、何となく飲んでしまっていました。もし私にもっと感受性が育っていれば、その何気なく飲んでしまった飲料からでも多くの面白いことを引き出せたのかもしれません。そしてこれは飲料に限った話ではありません。仕事中でも掃除中でもどんな時でも、「楽しいこと」は隠れていますが存在し、それを汲み出す力があるかは本人次第なのだろうと思いました。

家に居ながらもより多くの幸せを見つけることを時代が求めています。そして、それに対する答えを、SHINRAはシンプルに表現しています、そう

感性に潤いを。

【SHINRA_Instagram】
https://www.instagram.com/shinra_japan/

※SHINRAブランドロゴの画像につきましては、合同会社SHINRAさんより許可を頂いて掲載しております。他、特に断りが無い限り、画像はすべて筆者が撮影したものです。

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